アナウンス

出発

｢皆様長らくお待たせいたしました。我々の技術の結晶であるこの宇宙船は強度、設備、コストにおいて最高のできとなっております｣

ついにやって来た。ワクワクの反面緊張する。なんたって史上初なんだから…

｢史上初の他銀河へのフライトに先立ち機長から挨拶があります｣

｢どうも機長です。スタッフ一同もこの瞬間に出会えたことを誇らしく思います。このフライトは我々の後の歴史に大きく刻まれることでしょう。それでは離陸準備に入ります。アナウンスの指示に従い、安全な旅にしましょう｣

これほどまでに色んな感情が入り乱れたことはない。なんたって初めてだ。無理はないだろう。我々は大きな一歩を踏み出したのだ。

｢それでは皆様、離陸しますのでシートベルトをご着用ください。少し揺れますのでご了承ください｣

アナウンスの数秒後、予想より小さな揺れを伴い宇宙船は宇宙へと近づいた。