犬みたいな

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子供をおぶって家まで帰るとリビングにあるソファーにとりあえず寝かせた。抱えた体は冷たくて軽くて。ぐっすり眠るその子のあどけない純粋な寝顔に不覚にも少しドキッとしてしまった。 コンビニで買ったビールを小さめの冷蔵庫にしまう。小さな子供に食べさせるものなどなにも入っていなかった。 まあ、男のひとりぐらしなんてそんなもんだけどなあ。いや、でもジェジュンは絶対いろいろと入ってる気がするな。豆腐とか入ってそうだし。俺いまダイエット中なの!とか言いそうだし。大酒くらいだけど。ザルだけど。 ユチョンは親友の家の冷蔵庫の中を想像しながら子供に着せる自分の服を出し、タオルを持ってリビングに向かった。 びしょびしょに濡れた白い服を脱がすと白い体に切り傷や擦り傷、火傷まで胸のあたりから足の先まで無数につけられていた。 転んだとか、ぶつけたとか、そんなレベルじゃない傷だった。 青紫色になった古い痣から赤紫色の痣まであった。 うわっ これやばいだろ…こんなにちっせーのに何されたんだよ…。 体も大きくなくてせいぜい4~5歳ぐらいであろう。 全く手入れされていない髪は長く絡まっていた。 虐待…か…? 来ていた白いTシャツや紺色のズボンはぶかぶかでこの子の名前を示すものはなかったが、ズボンのポケットに唯一「ジュンス」とかかれたハンカチが入っていた。 `
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