犬みたいな

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少し薄汚れたハンカチは赤ん坊が涎を拭くようなそれで、この子には少し幼かった。 ジュンス、なんて、知らない子供なのに、その名前も、顔も、身体も、すっと馴染むように、まるで昔から知っていたように、心に入って来た。 とりあえず濡れて汚れてしまった服を洗濯機に突っ込むと温かいお湯にタオルを浸してジュンスの冷えた体を拭いてやった。 生々しい切り傷と擦り傷には家にあった薬を塗り酷い所には絆創膏を貼って軽く応急手当てをした。暖かい服を着せてユチョンのベッドに入れてやった。 眠るジュンスを見て部屋を出るが思い直して布団にジュンスをくるむとリビングのソファーに横たえた。 まだ小さいから目の届く所にいて欲しい。 そのあと、さっと部屋を片付けて、全自動の洗濯機を回し、風呂に入った。 その間起きた様子は無く2、3度寝返りをうっただけのジュンスの寝顔を覗き込む。 風呂上がりに発泡酒を一缶だけ飲み干した。口を開けて眠ってるジュンスを抱き上げて寝室に入った。 .
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