生き尽く先は…

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コマ劇場の前にくると、中学生の頃、夏休みに母と舞台を観にきたことを思い出す。 前から4番目の席で、大好きな女優が芝居をする。芝居をしたかった私は演劇に力を入れている高校に進学した。 仲間と芝居をしている時だけが楽しかった。 現実を忘れ、別人になれる。 あの頃から私は現実から逃げたかったのかもしれない。 出口も行き先も分からないまま、ただ闇雲に現実から逃げる。 求めているのはリアルなのに、目を背けたいのもリアル。
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