62人が本棚に入れています
本棚に追加
かなり冷たい視線だった。
使い魔も、龍だった。
しかし、翼は無かった。
「あなたが、相手ですか。」
「ええ。そうよ。」
「そうですか。なかなか楽しめそうな獲物を用意してくれたものですね。」
「え?」
「それでは始めましょうか。」
審判の先生が、開始の合図の笛を吹いた。
その瞬間だった
相手の使い魔が、物凄い勢いでこっちに突進してきた。
完全に、後れを取ったミティは動くことが出来なかった。
「な!?」
そして、残り2メートル。
当たると、ミティが守りの体制に入ったそのときだった
相手の使い魔が吹っ飛んだ。
「へぇ。なかなか。」
相手の少年は、こっちをただ冷静に見つめていた。
一方、吹き飛ばしたリュミアさんは
「さて、私の相手はその使い魔です。ミティさん。あなたは、向こうの人をお願いしますよ?」
「あ、はい。」
ミティは、やっと正気に戻って走り出す
(私は、なにボーっとしてたんだろう?ここは、戦いの場。真剣勝負なのに!)
自分に言い聞かせるように、ミティは心の中で呟いた
少年は、さっきの位置から動かなかった。
リュミアさんは、完全に遊び気分で使い魔のほうを片手で相手をしている。
確かに戦っていると言うより、遊んでいる。あやしていると言ったほうが、正しいかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!