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次の日、大会当日。
その日の学校は、いつもと感じがまるで違っていた。
ミティもかなり緊張しているようだった。
リュミアはシオンの後ろを、続いて歩いていた。
学校では、皆武器を見たりローブを整頓したりしている。
その中で、一部分だけ異常に浮いている場所があった。
その集団は、前にこの大会のことを教室に言いにきた少年と同じような格好をしているものたちばかりだ。
皆が、その人たちから少しはなれたところで準備している。
ミティも、まぁまぁ距離をとって自分の杖の準備をする。
「ミティ。」
「ん?何?シオン。」
ミティの行動を見ていたシオンが、ミティに話しかける。
リュミアはあたりを少し見回していた。
「これを、渡しておこう。」
「これは?」
「リュミアの魔力は、ミティお前ではリュミアが戦った時に精神的に参ってしまうだろう。そのための、対策でもあるが。一番は、危険な時は守ってやる。流石に、リュミアの邪魔をしないようにと言ってもお前には無理だろうからな。」
「な!?」
「馬鹿にしているわけじゃない。昨日、学園長とも話している。」
「うそ!?そんな話、してなかったわよね!?」
「まぁ、端から聞けばな。」
「どういうこと?」
「昨日話していたのは、俺と学園長ではない。それっぽく聞こえるように、学園長が俺とだけ話せるように一度切りかかってきた時に俺とだけ念話出来るようにしたんだ。で、話していたのは精霊がそうっぽく話しただけだ。俺と、学園長は実際は話していない。」
「え!?嘘!?」
「嘘じゃない。第一、あんなに簡単にリュミアの召還後の会話だけで上手くいくはずが無いだろう?」
「確かに・・・」
「実際は、もっと会話している。約束も交わしているからな。問題ない。」
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