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「それでは、発動しないのでは?」
「いや、それが悪い方向に失敗しているんだ。」
「それは?」
「普通、あの手の薬は『ガルバヤ』という毒気や色素の強い薬草を使う。よって、色素を破壊させない限り基本は真緑になるはずなんだ。しかし、あいつのあれは中に紫が入っていた。紫は、爆発物に多く含まれる素材が生成された可能性が高い。つまるところ、あれは飲んだらおそらく、大爆発を起すか、肉体強化された爆弾になる可能性が高い。」
「それでは・・・」
「ああ、調合に失敗し爆薬となった物の爆発物は低威力で広範囲に被害が広がるのが特徴だ。危険な存在にはや代わりしたことは確かだな。」
「その上、飲んだ場合あの子の魔力も?」
「ああ、爆発のためのエネルギーにしかならないだろうな。調合を失敗していない限りは。」
「そう・・・ですか。」
「転移術符を、隠し持っているとはな。あれを使われると厄介だ。」
「そうですか。」
「リュミア、あれを追える自身あるか?」
「ええ。3枚までなら。それ以降は、相手の術式の逆算時間が足りないでしょう。連続使用されると、きついです。」
「そうか。俺も、同意見だ。で、どうする?一人の巨大な爆弾が誕生したわけだ。おそらく、低威力とはいってもここに居る生徒は、おそらく警戒していても自分の力で自身を守りきれるかどうかの威力だろうな。」
「そうですか。」
「ああ、こんなもんだ。あれに手を染めた時の被害はな。」
「・・・」
学園長は完全に、黙り込んでいた。
しかし、ミティは
「え?何が?何の話なのか、まったく分かんないんだけど?」
ついてこれていなかった。
ミティの頭の上には、”?”マークが浮かんでいる。
シオンは、噛み砕いて簡単に説明した。
「ミティ、黒魔術って知っているか?」
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