62人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、うん。禁止されてるやつね。」
「黒魔術の、禁術は?」
「え?黒魔術自体が禁止されているのに、それの禁術?」
「知らないのか。分かった。だが、それは存在している。そこは、理解してくれ。」
「うん。で、それが?」
「つまり、あいつは黒魔術のさらにおくの禁術に手を染めたんだ。」
「え?」
「つまりだ。この世界じゃ、極悪人に、なったわけだ。」
「嘘・・・」
ミティは、信じられないといった表情だった。
この世界では、闇の魔法と光の魔法は使用可能だが
それを、追求した
黒魔法
白魔法
は、両方とも禁忌とされているのだ。
学園長は、シオンを見ていった
「悪魔の長クラスのあなたに聞きたいのですが、そうも簡単に魔族や悪魔は情報を与えるものなのですか?」
「さぁな。対価によるな。もし、命を懸けてきたり。自分の殺した者を、術式で魂のみを引っ張り出してそれをささげたりしたりした場合。こちらもかなりの、利を被るからな。それだけの、情報は与えられるだろうな。」
「では・・・」
「ああ、この世界で知ることは不可能だ。魔族か、悪魔。天使か、聖霊のどれかが手を貸していると見て間違いないだろうな。」
「では・・・どうするれば?」
「魔界や天界に、白や黒魔術の使用制限はない。自分の制御できる魔術を使えばいいだけだからな。よって、契約で教えたとしても特に問題視されない。向こうで見つけるのは、ほぼ100パーセント不可能だ。」
学園長は、顔がこわばるばかりだった。
シオンはただそう述べた後、一度深く腰掛けた。
そして、続けるようにリュミアが言った
「しかし、それは人間界に持ち込んではいけないものです。人間界では、それは禁忌です。向こうでは、教えたとしても罪悪感など生まれません。しかし、この世界では大問題です。向こうは、扱えなければただ自滅知るのがいい落ち。もともと、魔族たちは丈夫にできていますが。人間は、ひ弱です。たった100年も生きられずにただ子孫を残して死んでいきます。そんな者たちの仲に、黒魔術が浸透してしまえばあっという間に全滅でしょう。」
最初のコメントを投稿しよう!