『溶岩とムカデとビートと雪とお花の話』

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十八回前の暑い日(これもまた夏、夏、夏)の夜に表ッ革溶岩がぐつぐつシチューになると三百のムカデがお散歩を始めてまた一年三百六十五回の内の一回の作業を始めたんだけどお姉さんとおじさんは抱きしめおべべを持って今度は知らないお姉さんとかおじさんが一緒に入ってきて初めて見た人も一杯いたからすごいむずってたから逆に恥ずかしい気がした。抱きしめおべべで自分を抱きしめて車輪つきベッドの上は物凄い快適な気がしたしきっとジェットコースターの上の風ってこんな感じ。 抱きしめおべべが鉄のジャラジャラに変えられてる間にお姉さんとおじさんは俺に話しかけてきて俺は流石に覚えてないけどどういう事を言ってたのかな、タモリとニコニコする昼の語り合いテレビ番組が言ってるみたいに楽しいお話をしてたんだと思いたいのはそれを思い出すたびにちょっと恥ずかしいけどむずむずしちゃうんだよね。最初に会ったおじさんとお姉さんは俺の表っ革を覆う溶岩をいつもいつもじっとじろじろ見つめてるので何かそれが他の人たちとは違う俺の特徴とか特技とかそういうものの一つなんだとずっと思ってたんだけどお父さんお母さんはちょっと黄色っぽかったり黒っぽかったりしていたからやっぱりそれはその通りだと思ったし、冷え冷え鎖がベッドに縛り付けるのが耐えきれないし普段出てくるトレーの上のではちっともお腹が一杯に貯め込まれないから冷え冷え鎖をよく外して厨房のドア開けてつまみ食いしていると絶対におじさんズとかお姉さんズが飛んできて俺を見てぎゃあぎゃあ言うからなんでかと思ったら俺の歩いた後に溶岩がぽとぽと垂れていて目印になっていたみたいで物凄い不便だとは思っていたしムカデが歩きまわるたびに目がぱちくりして爪で溶岩を平らにする作業は三百六十五日続くのでもし溶岩が固まったり或いは溶岩が黄色っぽくなったりしたらもっとお母さんお父さんみたいになれると思っていたので、俺はこの時は冷え冷え鎖と抱きしめおべべの中に入り込むことをオッケーだッて言って頷いたし、尖ったムカデの足みたいなもので溶岩に穴をあけられてそっからチルアウトしまくるクスリを入れられた時にもビートは全然響いてこなくて冷え冷え鎖をぷっちんいったりはしなかった。これは俺にしては物凄い珍しい出来事のような気がした。
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