始まり

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† 聞こえる音が広くなるのを、光は感じていました。 女の人の声、男の人の声。 そして赤く、でもやはり暗い視界。 濡れた胸を掴み、慄える身体を落ち着かせます。 女の人の声が、微かに聞こえるのを感じました。 それは、生、というのは、この深く冷たい暗闇から解放されること。 そして、堕とは、この暗闇に閉じ込められることだということを、光に教えてくれるのでした。 光はきっと生、になるように祈りながら、眠ることにしました。 †
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