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「どうしましょう、もうピーターが来ちゃうわ」
ウェンディはいそいそと着替えをはじめる。
昼間は出掛けていて、部屋着に着替えていなかったのだ。
ピーターは、あまり外出用の服を好まない。
デートの時は別だが、気を遣われている感じがしてどうしても嫌だ、と言い張るのだ。
みんなには夕飯も食べさせて、あとは寝かしつけるだけだし、それはジョンに任すのでなにも焦る必用はないのに、やっぱりなんとなくそわそわしてしまう。
もう5年の付き合いになるのに、何度も重なったのに、まだまだ初なのである。
部屋着のワンピースに着替え、3年くらい前から一人部屋になった自室でそわそわしながら待つ。
もちろんピーターは玄関からなんてはいってこない。
なぜかって?ウェンディがバレるのが怖くて窓からの入室をお願いしたからだ。
カーテンと窓を開ければ、もう外は暗く、沢山の星々が煌めく濃紺の夜空が見え、とても明るい月明かりに照らされる。
するとウェンディの視線の端に小さく人影がうつった。
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