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「行くよ」
そう言って玄関の引き戸を開けた直後、兄貴が素早く後ろに飛びのく。
それと同時に頭上からばらばらと大量に何かが落下する。
「わっ! 蛇……蜘蛛が……っ」
「よく見てみろ、玩具だ」
「あ……なーんだ」
見た目は精巧に出来ており、一瞬見間違えやすいが落ちてきたのは蛙や蛇、蜘蛛などの玩具だった。
慌てる鏡良も、俺の言葉に安堵する。
そう、この家には常にじいさんとばあさんが趣味で仕掛けたトラップが張り巡らされているのだ。
これのお陰で宅配便のにいちゃんも近寄れず俺達の住む家の方に荷物が全てまわってくる。
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