最強じいさんと最恐ばあさん

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 スタートから十分。俺はある和室に入る。客間として使っている部屋だが、普段は祖父さんが縁側で煙草をふかしていることが多い。  実は先に何度かこの部屋には入ったが、祖父さん達は自由に移動するので簡単には見つからないのだ。 「やっと見つけたぜ……」 「おや、ご苦労さん。遅かったじゃないか」  息を切らせながら部屋に入ると、縁側で煙管を片手に一服する祖父さんがニヤニヤと笑みを浮かべ振り向く。 「この部屋捜すの、もう七回目なんだぜ。もうちょっと労ってくれ……」  俺が愚痴を零していると、台所あたりから 「みーつけた!」 「一宮、お祖母さんに会えたよー」 と、鏡良と兄貴の声が聞こえる。  ひとまず、ゲームセット。と、同時に一気に疲労が押し寄せた。
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