最強じいさんと最恐ばあさん

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 それから一時間程、俺達はトラップの解除や後片付けを手伝ってから祖父さんを見つけた客間に通される。  男三人、正座して並ぶ姿は少々むさ苦しいかもしれない。  ちゃぶ台を挟んだ目の前で祖父さんと祖母さんも正座しているが、別に何かをしたというわけではなくてもどことなく緊張してしまう。 「そんなに堅くならなくても良い、そいつが例の吸血鬼か」 「ええ。状況証拠だけでまだ確定してませんが」 「鏡良です……」  目を細めじっと鏡良を見詰める祖父さん、神妙な面持ちの兄貴、祖父さんの視線にたじろぐ鏡良。  そして、彼女の両親の家へ挨拶に来た男じゃないんだから、とツッコミたくなった俺と祖母さん。
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