序章という名のはじまり

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 吸血鬼や人狼、死霊などの人ならざらぬ存在を狩る者。俗にいうモンスターハンターだ。とはいっても、依頼を受けてから狩りを行っているので目の前にいる彼を討つ気はさらさらない。 「そうだね、訂正するよ。……今は、君の敵じゃない」 「……オレをどうするの」  先程よりは警戒が解けてきているのか、わずかながら彼はこちらに寄って来ている。 「おいで、とりあえずここにいたままじゃお巡りさんのお世話になるかもね。君も、僕も」  手を延ばしたまま、笑顔は崩さない。彼はしばらく考え込む様子だったが、 「たすけて」 と、だけ呟いて僕の手を握った。
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