そして始まる不思議な日常

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 見た目は俺より二、三歳くらい年上だろうか。男にしては少し長めの黒髪で、顔の右半分は髪を垂らしている。  ビジュアル系の歌手だと説明されたら納得しそうな風貌であるが、そいつの瞳が紅く見えるのは気のせいかそれともカラーコンタクトか。 「彼は鏡良(アキラ)くん、昨夜僕が拾ってきた。どうやら吸血鬼っぽいから暫くここで様子を見ようと思って」 「兄貴、ツッコミ所多過ぎる」  のほほんとコーヒーを飲みながらそう答える兄貴。  四月一日はとっくに過ぎている、とは言いたいが兄貴が漫画に登場するような裏稼業をしているのは十分承知しているので、俺には今更追及出来ない。
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