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「最近は平和に暮らしている吸血鬼も多いしね、お腹空いてるみたいだったから放っといたままは危ないと思って」
まるで犬猫を拾って来たかのようなノリだ。
「よろしく……お願いします……」
鏡良と紹介された男はおどおどとした様子でこちらにお辞儀する。潤んだ瞳はまるで子犬の様。
「しょうがねえな。俺は別に反対しねえよ」
「ありがとう、一宮。そう言ってくれると思った」
俺には絶対に反対する理由はないし、兄貴の言う通りに本物の吸血鬼ならば野放しの方が危険だろう。
まだイマイチ納得できないが、俺は溜息混じりに渋々承諾した。
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