序章 -黎明の姫-

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「おやすみ」 その言葉とともに意識は落ちた。 ―・・・た・・・・ウ・・・・・・・し・・す― 夢か現か。 そんな思考の中、途切れ途切れに聞こえる言葉。 ―せ・・・・き・・、・し・・・・・ょ・・・・・ー・・い・― それを聞きながら、走馬灯のように流れる景色を眺めていた。 ―・・く・・・・・・ドか・・・・。・づ・・・・・の・・・・・・を・・・・・す― 来てはイタズラに去っていく世界を眺めながら、感じていた。 ―・・・・・・・・・か・り・・・づ・・の・・・くを・・・・ド・・・・― 何がかは分からない。 分からないけど、それはきっと雛鳥が羽ばたく術をしるのと似て。 ―・べ・・れ・・・・・・ー・・か・・・う・・・た― 「××××××!」 先ほどとは若干違った、高揚の色をした声が聞こえる。 彼のアルキメデスも、質量の概念に気付いたときはこのような感情を露わにしたのか。 「×××××!××××××××!」 ―話し声。なのかな? 少し前よりも確かな、赤ん坊が母の胎内にいるかのような意識。 「××××××。××××××××××××××・・・」 ―いや、そんなこと考えなくても・・・ 「××××××××。」 ―すぐ会える。 ―ザ、ザザ― ―なに? ―て・・・・。・・し・・。・・・・い・・た・・・てく・・・― 「!・・・×××!!×××××・・・」 ―待って。 「・・・×××××」 ―まだだよ。 「×××××××××××。」 ―1人にしないで。 ―ブツッ― 意識に暗幕が垂れた。
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