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俺が殺される前の話だ。
広い、城の中にある玉座に座っている少年
マモノ「魔王様、今日も平和ですね。」
側近の魔物に話しかけられた者こそが魔王であるシエノ=イザナイであった。
シエノ「ああ、今日も平和だな。」
玉座の近くにある窓を開き、テラスに出たシエノは、眼前にある町を見下ろし微笑んでいた。
前魔王が死にシエノが魔王となり統治した時、
シエノは、自然で溢れた街を作った。
民と民が力を合わせたり
城の者が民に力を貸すのに惜しみまずにやるため
城の者達と民の間には友好が築かれていた。
シエノ「これは、不可能に近い事だが・・・・聞いてくれるか?」
近くにいた魔物に聞くと魔物は頷いた。
シエノ「俺はこれからの未来を考えて、人間との和平を築きたい。」
マモノ「そ、それは・・・・」
シエノ「お前が言いたい事はわかる。
だが私は無駄に争い、命が散っていくのを見たくないのだ。」
マモノ「魔王さま。」
シエノ「・・・・私は弱いであろうか?」
シエノが弱々しく言うと
マモノ「いえ、貴方様の意思は民に、兵達にも届いております。」
魔物は、ペコリとお辞儀する。
シエノ「ありがとう。」
そう言うとシエノはもう一度街を眺めた。
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