明かされる過去、そして真実

2/8
前へ
/702ページ
次へ
俺が殺される前の話だ。 広い、城の中にある玉座に座っている少年 マモノ「魔王様、今日も平和ですね。」 側近の魔物に話しかけられた者こそが魔王であるシエノ=イザナイであった。 シエノ「ああ、今日も平和だな。」 玉座の近くにある窓を開き、テラスに出たシエノは、眼前にある町を見下ろし微笑んでいた。 前魔王が死にシエノが魔王となり統治した時、 シエノは、自然で溢れた街を作った。 民と民が力を合わせたり 城の者が民に力を貸すのに惜しみまずにやるため 城の者達と民の間には友好が築かれていた。 シエノ「これは、不可能に近い事だが・・・・聞いてくれるか?」 近くにいた魔物に聞くと魔物は頷いた。 シエノ「俺はこれからの未来を考えて、人間との和平を築きたい。」 マモノ「そ、それは・・・・」 シエノ「お前が言いたい事はわかる。 だが私は無駄に争い、命が散っていくのを見たくないのだ。」 マモノ「魔王さま。」 シエノ「・・・・私は弱いであろうか?」 シエノが弱々しく言うと マモノ「いえ、貴方様の意思は民に、兵達にも届いております。」 魔物は、ペコリとお辞儀する。 シエノ「ありがとう。」 そう言うとシエノはもう一度街を眺めた。
/702ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5067人が本棚に入れています
本棚に追加