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シエノの背に漆黒の翼が生え
頭には金に近い色を持った角が生えている。
ゆっくりと開いたその両目は、ヨミノと同じ紅と蒼のオッドアイに変わっていた。
シエノ「・・・・行くぜ。」
トレイターを引き抜くと
高速スピードでヨミノに斬りかかる。
ヨミノは、防ごうとするが
シエノ「遅せぇ!」
シエノは、瞬時に後ろへと回り無防備な背中にトレイターを
ヨミノ「貴様がだ。」
振り下ろせなかった。
トレイターは、空を斬っていた。
そして、
シエノ「ガア!?」
シエノの背中に走る熱い感覚。
ヨミノ「貴様のその姿は、完全ではない。」
シエノの後ろで刀を下げた状態で立っているヨミノ。
ヨミノ「貴様がこの世界から現実世界に帰るまで、俺がお前を真の姿にさせる。」
倒れているシエノに近付く
どうやら気絶しているようだ。
ヨミノは、片膝を地面に着けて、シエノに手を翳す。
そこから光が降り注ぎ
シエノの傷を癒していく。
ヨミノ「そして、あの頃約束した俺の剣技も教えてやる。」
ヨミノ「それが、親である俺が息子(お前)にやれる唯一の事・・・・だからな。」
ヨミノは、不器用に笑顔を浮かべた。
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