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耳に響いた心地好いフルートの音色に足が向いたのは彼にとっては必然でした。
何故なら、彼は音楽を愛していたからです。
足を忍ばせて彼は音色のもとへ近付きます。
月明かりに照らされた木々の合間を縫って、彼は歩きます。
しばらくすると一人の青年を見付けました。
金色の髪をした青年が凛と佇んでフルートを奏でていました。
その姿は月明かりに照らされてこの上なく美しく見えました。
何より、奏でる音の美しいこと。
これが人の世に起こりえるものか。
息を飲み、彼は時を止めたように見つめました。
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