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「おう、なんだ? 小林!」
部長の言葉に、ぼくは顔を上げた。
あのカッコいい人も、“小林”っていう名字なんだ…。
なんだか嬉しいような微妙なような…。
小林と呼ばれたカッコいい先輩に見入っていたから、ぼくは部長以外の先輩たちが眉を潜めたのを見逃した。
「新入生の中に……がいるかもしれないから、ちょっと訊いてくれないか」
「…ああ、そうだったな…」
カッコいい先輩は部長に小声でそう伝えた。
でも多少聞き逃してしまったから、なんだかよくわからない。
部長は少し暗い感じだし。
そして次の言葉で、ぼくの青春の歯車が動き出した。
「この中に“小林”って名字のやつがいたら、ちょっと前に来てくれ!」
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