豆太の苦悩~豆太の場合~

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「あ、豆太くん」 部室の中は昨日の桜餅の残り香と、涼先輩がいた。 この部室には冷蔵庫もあるみたいで、涼先輩はタッパーに入ったいくつかの桜餅を食べていた。 そして、机の上には何やら雑誌と、サッカーボールが置いてある。 「こんにちは! 他の先輩方はまだ来てないんですね」 「まあ、みんないつも遅いんだ。豆太くんは早いね」 「はい、まあ…」 他の部活に行こうかと迷ってたなんて、さすがに言えない。 僕は大人だから、言っていいことと悪いことの区別ぐらいはつくんだ。
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