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「あった、はいコレどうぞ」
「ありがとうございます!」
涼先輩はちょっと靴箱をゴソゴソやって、僕に一足のスパイクを手渡した。
黒に白い線が1本入っているだけの、シンプルなデザイン。
はきこなされていて少し柔らかい。
「一応結構前に洗った後、誰もはいてないと思うから汚くはないはずだよ。俺のクセついてるだろうけど、それはご愛嬌でね」
「全然大丈夫です! はいてみますね!」
もう僕は涼先輩の心遣いに感動だよ。
どういう所で育ったら、こんなに人間性が良い人になれるんだろう。
きっと素朴だけど素敵な家の長男、とかなんだろうなぁ。
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