豆太の苦悩~豆太の場合~

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僕と涼先輩はモンスターな部室から出ると、体育館裏のコンクリートの広場上でパス練習を始めた。 広場には古いバスケットゴールが2つある以外には人もいないし、絶好の練習場所という感じだ。 まあ、なんであの広いグラウンドに行かないのか気になったけど、そういうことは別に聞かないさ。大人だもん。 涼先輩のお古スパイクは、僕の足にぴったりだった。 聞いたところによると、先輩はこれを小4から4年間使っていたんだとか。 中2になった頃からグッと成長して、きつくて入らなくなってしまったらしい。 でも初めてのスパイクだったから、大切に取っておいたんだって。 「じゃあ豆太くん、リフティングやってみよっか」 「はい!」 僕は実はそんなにリフティングが得意じゃないんだけど、今ならなんだかできるような気がした。 …よし!
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