~白虎~(過去編)

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陽子が心配そうに鯉を見ている… 鯉の前には白き虎が牙をむいていた… 師は桃剣を白虎にむけ「待てっ」と言った… 「鯉よ… 四神獣は気高(けだか)き神獣… 弱き者には従わない… お前の力を白虎にしめせっ!」 鯉はあまりの威圧感に額からツゥ~と流れる汗をふき(うなず)いた… 「白虎よ… やれいっ!」 師が桃剣を振り下ろすと同時に白虎が鯉に襲いかかるっ! 鯉は白虎に木刀を振り下ろすっ! シュパーンッ! 木刀が真っ二つにされた… 白虎の体から小さい刃が見える… 陽子は師に叫ぶっ! 「白虎に木刀で対抗なんて無理よっ! 鯉を殺す気っ!」 師は陽子の声を無視して鯉を見ていた… 鯉は白虎に(もてあそ)ばれ 傷だらけになっていく… もうダメだと逃げ腰の鯉に師が叫んだっ! 「力なき者に白虎は従わないっ! なんだっ! これぐらいで降参か? お前ごときに期待した我が愚かだった… もう死ねい… 白虎っ! 鯉の首を跳ねろっ!」 その言葉にビックリした陽子が 師に文句を言うが師は聞き入れない… 陽子は見ていられずに鯉を襲おうとしている白虎に狐火(きつねび)を放つ! 白虎が蒼き炎で燃え上がるっ!
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