JK

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「なあ、かめ…やべえって…」 かめってだあれ、俺はかずだよ? じんのかわいいいかわいいかーずくん、 ひゃはは、と笑って聖にばいばいを告げて一方的に電話を切った。 「あ、おい…っ、」 ぶちり、と途絶える間際、まだ何か言っている親友の声は聞こえたけれど。 (…めんどくせえな、) 「じん…」 ひた、ひたと裸足でフローリングを踏む音を、彼の元へ近づける。 案の定眉間に思い切り皺の寄った彼に気づかれないように、にやりと笑った。 (じんの心は、もう俺のもんなんだ、) 「じいん、」 ソファーにどかり、と座り込む仁に甘えるように擦り寄れば、 「電話、誰?」 と不機嫌を隠さない声で言われた。 「ああ、聖。」 「聖…あーあのチンピラ坊主か、」 (チンピラ坊主って、一応俺の親友なんですけど…) 「でもね、」 「…」 「めんどくさいから切っちゃった。」 えへ、と笑えばじゃあ、と手をだされた。 訳が分からずぽん、と自分の手を乗せれば 「…お手じゃねーよ、ん、ケータイ。」 「ああ、ん。」 チェックでもされんのかなって見守れば、それはばきっと音をたてて仁の腕の中で真っ二つに崩壊した。
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