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NU+JK
常にナルシストみたいににやって笑って
(俺の、!)亀ちゃんの顔を火照らせる赤西が憎かった。
「ガルルルルー」
「たっちゃん、思いっきり声に出てますよー?
(大丈夫か・・・?)」
ゆーいちもあんなの出来るのかなって素朴に疑問が頭に浮かんだ。
「「・・・・・」」
疑問になったからちら、と隣を伺えば、あら、相手もこちらを見ていてばちっと目が合って沈黙が流れた。
(だけど俺には今、そんな事で時間つぶしていちゃこいてる時間は一秒もないんだよっ、)
(・・・・・いちゃこいてるのかは謎だけど、)
「ね、ゆーいち!」
「はい?」
「笑ってよ?」
「・・・・え?」
「だからさー、笑顔、笑顔見せて!」
「(笑顔見せてってそんな急に、この何も面白くない状況で言われてもー・・・)」
「はやくー」
「(やらざるをえない状況、うん。)・・・ははは、」
「ふは、気持ちわりー」
「(・・・やらせておいて、理不尽じゃね?)」
やっぱり結局のところゆーいちはゆーいちであって、赤西みたいな笑顔は作れないんだと分かった。
だけど俺は、そんなゆーいちがすきなんだ、きっと。
「・・・たっちゃーん?」
目の前で不思議な表情を浮かべてみせるゆーいちは、相当間抜け面だけど。
(だから亀ちゃんは赤西のカノジョで、だから俺はゆーいちのカノジョなわけだよね、)
(ふんふん・・・・♪)
(え、なんで機嫌いいのたっちゃん・・・??)
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