JK

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「じいん!何センチだったー?!」 放課後、今日は身体測定があったからって(新学期こーれーの、うん、めんどくさい。) 和也は何時もより早く俺の教室に迎えにきた。 (俺はふつー、あいつは特進…ばかとか言うなよ!) 「ふっ…和くんはー?」 おま、その呼び方やめろよってぶつくさいいながらも和也は小声でぼそっと 「…165…」 と呟いた。 (うん、10センチ差カップルなんてなかなか素敵なんじゃね?) 「へー、俺175ー」 「…え、この前まで172だったじゃん!!」 あれからまた3センチも伸びたの?!とキーキー喚く恋人は、可愛い。可愛いけど… 「かずーここ、教室なんだけど…」 途端に我に返って真っ赤になる和也。 (うわー、どーしよ、可愛すぎる!) 「てか、なんでそんなに伸びたい訳?」 帰り道あんまりにも、仁の身長がー、なんておんなじことをずーっと繰り返し言ってるもんだから聞いてみた。 可愛いじゃん、そのままで十分だよと告げると…俺、女じゃない…って返答、と、予想外のオプション。 「それにね、」 「…」 「…じんがおれ置いてどんどん伸びてっちゃったら…」 キリンみたいになってっちゃったら…ってそんなに首ばっかり伸びないだろ!って突っ込む場面でもなさそうだ。 (ときどきわっかんねーんだよな、天然、) 「おれ…じんに不意打ちのキスできなくなっちゃう…!」 唯一のおれのじんKO仕返し作戦なのに、と若干涙目でふるふる震えるつま先立ちでうったえる和也に、くらりとした。 (その時点ですでにKO寸前だっつの、このばか…) (…はあ、また新しいなんか考えないと…)(…小悪魔ー…っちくしょ、鼻血寸前じゃねーかよっ、)
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