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「ぶっ…」
朝一番、開口一番出会ってさいしょに聞いた一言がそんな汚いことば
(…言葉なのか?!…うーん…)
だったから俺のテンションは結構下がった。
「ちょ、かず、ここ喫茶店だから…!」
「あはは、」
静かにしなきゃいけないんだよ、と諭すと元々ゲラで笑うツボの少しおかしい
(だってこいつ、田口のことおもしれーってゆーんだぜ?)
恋人が声をあげて笑ったから、困った。
「ばっか…」
「だって…仁、ほんとに待ち合わせ喫茶店にするんだもん、」
意地っ張り…と囁かれ、鼻で笑うという
オプションまで付けられて頭に来た。
(…抑えろ、俺。まだやれる…!)
「でもさー、暇だったでしょ、実際?」
こんなとこで待ってても何も出来ないもんねー、とけらけら笑っている所にちょうど、店員がオーダーを聞きに来たからひとつ、咳ばらいをした。
(ほんとしっかりしてんだかぬけてんだか…)
「…ぶっ、」
「…なんだよ、じん、汚い…」
「…おれは汚くねーよ、」
行為だろ、と突っ込めばどうだろ?と
平気で返す恋人に少し恐ろしく感じたが、
そうじゃない。
「…ミルク入れねーの?」
「入れねーよ、」
「…砂糖は、」
「んなもんもっと入れねーよ!」
いつもはロリータの食卓かってくらい(どんなだよ、)入れるミルクと砂糖を一切入れず、黒々としたその液体…コーヒーをブラックで飲もうとするこいつだって…
「ふっ…意地っ張り…」
「…誰が!…ゴホッ…」
「(…ばーか、)」
(結局のところ、僕らはまだまだ子供であって、大人には、なれない。)
(…くっそ!!)
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