JK

2/2
319人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
「ぶっ…」 朝一番、開口一番出会ってさいしょに聞いた一言がそんな汚いことば (…言葉なのか?!…うーん…) だったから俺のテンションは結構下がった。 「ちょ、かず、ここ喫茶店だから…!」 「あはは、」 静かにしなきゃいけないんだよ、と諭すと元々ゲラで笑うツボの少しおかしい (だってこいつ、田口のことおもしれーってゆーんだぜ?) 恋人が声をあげて笑ったから、困った。 「ばっか…」 「だって…仁、ほんとに待ち合わせ喫茶店にするんだもん、」 意地っ張り…と囁かれ、鼻で笑うという オプションまで付けられて頭に来た。 (…抑えろ、俺。まだやれる…!) 「でもさー、暇だったでしょ、実際?」 こんなとこで待ってても何も出来ないもんねー、とけらけら笑っている所にちょうど、店員がオーダーを聞きに来たからひとつ、咳ばらいをした。 (ほんとしっかりしてんだかぬけてんだか…) 「…ぶっ、」 「…なんだよ、じん、汚い…」 「…おれは汚くねーよ、」 行為だろ、と突っ込めばどうだろ?と 平気で返す恋人に少し恐ろしく感じたが、 そうじゃない。 「…ミルク入れねーの?」 「入れねーよ、」 「…砂糖は、」 「んなもんもっと入れねーよ!」 いつもはロリータの食卓かってくらい(どんなだよ、)入れるミルクと砂糖を一切入れず、黒々としたその液体…コーヒーをブラックで飲もうとするこいつだって… 「ふっ…意地っ張り…」 「…誰が!…ゴホッ…」 「(…ばーか、)」 (結局のところ、僕らはまだまだ子供であって、大人には、なれない。) (…くっそ!!)
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!