JK

3/3
319人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
「てめーは俺だけみてりゃいーんだよ、」 「じん、かわい」 くすくす笑えばひょい、と腋の下に入れられた手に持ち上げられて、向かい合って馬乗り状態。 そのまま深く口づけられて、 「…んっ…は、」 「ガキ扱いしてんじゃねーよ、」 べろり、と耳を舐め上げられた。 聴覚を奪われた後は視覚だ。 「…ふは、かずね、いっちゃってるの。」 どうしよう、じんのせいだよ、こてんと首を傾げれば仁の顔が赤くなるのが解る。 「…なにが?」 止まらないキスの合間に、返答を。 「っふ、あか、しか、みえねーの…あかにし、の、あか、だよ…」 世界はモノクロに、きみと赤色しか映らない。 「ふは、俺なんて…」 かずしか視界に入らないよと囁かれれば、 それだけで堕ちてしまいそうだと思った。 「なんかもー、しんじゃいそう、」 「ふっは、ころしてやろーか、」 「どうぞ、」 ばっ、と両手を広げればぐわ、と心臓を捕まれ、首筋を噛まれた。 所詮キスマークというやつだ。 「っん…」 「ばか、殺んねーよ、」 あはは、仁にころされるなら本望本望と笑えばにやり、と上げられた口端。 「おまえがおれを殺してよ、」 「いーよ、」 くすり、と笑ってつう、と尖らせた舌先で広い胸板をシャツの上からなぞれば髪を掴まれ、 「Will you fall into the place to leave?」 囁かれ噛まれた感覚に、意味は分からずとも仁のいる右側から徐々に脳が溶けていく気さえした。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!