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「おい、テメェら!ここは俺らの特等席だぞ!?」
「そ、そうだったのですか…!?」
「おうよ!さっさとどきやがれ!」
現れたのはいかにも性格の悪そうな侍だ。
侍は刀をちらつかせながら商人達を脅し、その場から去るように促している。
「斬られたくなかったらとっとと行きな!」
「ひぃい!」
「待ちなされ!」
侍と商人のやり取りを見ていられなくなった蓮次が間に割り込んだ。
「なんだお前ェ」
「拙者は蓮次という者でござる。花見は皆で楽しむものではないのか?」
睨みつけて来る侍に怖じることなく言うと、笑みさえ浮かべて共に楽しまないかと誘いをかけた。
「はん、お前さんがこの俺よりも強いってぇなら考えてやってもいいぜ?」
「真でござるな?」
「男に二言はねぇ!」
そんなやり取りをしながら刀を構える侍に、蓮次は羽織で隠れていた帯にとまっている刀をスルリと抜き片手で構える。
「随分とナメてくれんじゃねぇか!!」
「参る!」
蓮次の構えに怒りの形相を浮かべた侍は叫び、一直線に蓮次へと襲い掛かった。
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