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………………あっ、生きてる。
さすがに死んだと思った。「……ちっ、生きていたか」大介が不満そうに言った。
なんで僕野球しにきただけなのに2回も死にかけているんだろうか?
「なんで俺が薫を帰らせたかというと、お前がこれ以上鼻血を出させないためだ」
「ほ、本当に?」意外だ。そんな奴だったなんて。僕を殺しかけたのに。
「ハッハッハ、…嘘だ」
「死ね!」僕は殴りかかった。大介はいとも簡単にそれを避けて、僕の腹に2発拳を当てた。「グハァ―――」
「……次は顔面だ」
…恐ろしい。奴を殺るには相当な準備が必要だな。 「おい、お前らそろそろ野球やれよ」山口さんが呆れた顔で言った。
「じゃあ打たせてもらうか」大介がバットを出して打席に立った。
「ピッチャーは義か」
「お手柔らかに頼むわ♪」 あいつは難波義郎、大介と同じく中学の時からいる。「わしの渾身のストレートを受けてみよ!」
「遅い!」カキ――――――ン ホームランだ。
そんな大介の、楽しいバッティングを見ながら僕は地獄のノックを受けさせられていた。
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