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「犯人は貴方だ!」
俺は中年男性を指差す。
「俺がその女を殺した? 冗談は止めてくれよ」
俺は予め用意してあった証拠品をポケットから取り出し――
ピピピピピピピピピピ
俺は目を開けた。
五月蠅く鳴り響く目覚し時計を止めて、寝返りを打つ。
三ヶ月前、皆で万引き犯を捕まえたのが最初だった。
俺の二人の兄さんから褒められてお小遣いとして合計四千円を貰った。
嬉しかったけれど、正直どうでもよくて、俺たちはあのドキドキ、ワクワクを忘れられずに他の事件を探って行った。
この三ヶ月間、色んな事件を解決して来た。
万引きや傷害事件、更には殺人事件まで!
でも俺たちは警察とは動かずに、自分たちで全部やるんだ。
「彗乃<エノ>ー! 起きろ、バスに乗り遅れるぞ!」
兄の声で目が覚めた。
どうやら二度寝してしまったらしい。
「今、行くよー兄さん」
目を擦りながら、早足に一階のリビングへと向かった。
案の定兄の彼方<カナタ>は忙しそうにしていた。
俺はソファに座っている彼方の片割れに聞いた。
「遥方<ハルカ>兄さん、彼方兄さんどうかしたの?」
瑶佳は飲んでいたコーヒーを置いた。
「おはよう、彗乃。彼方、昼から裁判があるんだって」
「そっか。おはよう、兄さん」
「うん」
瑶方は軽く返事をして、テレビを見始めた。
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