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◇
「そろそろ退院しても大丈夫そうですね」
そう言い、医者は看護師を連れて病室を出る。
そうか、もう退院出来るのか。
この窓の外へ出ることの出来るのか。
「よう、桃花!」
「聞いたで、退院出来るんやって?」
わたしの頭の奥の奥で、バチッという漏電のような音がした。
そう思った直後、頭痛がわたしを襲う。
「ぅゎ…わぁあぁぁあぁあぁぁぁ!!」
「桃花!」
彗乃はわたしに駆け寄る。
頭が酷く痛い。
直感的に叫んだ。
「来るなぁあぁあぁぁあぁあぁ!!」
思わず頭を両手で押さえ、ベッドに蹲る。
「俺お医者さん呼んで来る! 梨依、桃花を見ててくれ!」
「うんっ」
彗乃は焦ったようにそういうと病室から走り去る。
梨依はズボンのポケットの中に手を入れて呟いた。
「これの……せい?」
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