第四章

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  ◇ 俺は知らず知らずの間にため息を吐いていた。 ポケットを探るとまたあの石が入っている。 本当に魔法でも掛かっているみたいに俺の側に必ずある。 あれから一週間。 桃花には全く会っていないけれど、今はどうしているだろう。 桃花が変になった日から何事もなく日時は進んでいったけど、あれは一体何だったのだろうか。 想いは何処へも行かなくてひたすら俺自身の中に溜まっていた。 「彗乃、ため息ばっかり吐きなや。幸せ逃げんで」 「え……あぁ、そうだな」 梨依にニコリと笑いかけて、ハンバーガーに齧り付いた。 「あ……」 誰かが俺たちを見て、頭を下げる。 そこにいたのは先日ぶつかったあの女の子。 「あ、ドモ」 「こんにちは」 彼女は一度笑って、首元のペンダントを握り締めた。 「反応してる……」 「はい?」 「貴方たちが……能力者?」 「能力……?」 「何やソレ」 俺たちがそう言うと、彼女の目が更に鋭くなる。 女の子はペンダントから手を離す。 それは赤い石にそっくりだった。 いや姿形は違うが、なんだか雰囲気が似ている。 そして気付いた、ポケットが熱い。 あの石が熱を持っていた。 「もう一度聞くよ。貴方たち、能力者?」 空気が冷たくて重たい。 ――殺される。 直感でそう思った。 そうか、これが。 殺意。
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