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俺は席を立ち、梨依の腕を掴んで二歩下がる。
睨み合いと沈黙が続く。
先に沈黙を破ったのは女の子の方だった。
「大丈夫、何もしないわ。仲間かなって声かけただけだから」
彼女はにこり笑う。
先ほどの恐怖はないけど、安心出来ない。
その空気を感じ取ったのか、彼女は頬を膨らませた。
「だから大丈夫だって。あたしだってよく分からないし、能力だって使えないから」
不謹慎かも知れないが……ごっつ可愛え。
ふぅ、と息を吐き、梨依の腕を離す。
に、しても誰だろう。
前に会った子だが名前なんか知らない。
「あたし、前園愛。君たちは?」
あの石はまだ熱い。
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