第壱拾弐 chain of heart

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不器用な歩夢なりの気づかい。いつになっても回りくどいマネしかできないでいるパートナーを、ドラゴはため息をついて見やる。 歩夢 「なんだ?」 ドラゴ 「素直にならないといけないのはきみの方かもね」 ムッとしてドラゴを鷲掴みする。 響 「さて、じゃああたしら何してる?」 歩夢 「……掃除するか」 鷲掴みしていたドラゴを解放し、立ち上がる。 奏 「掃除って、ここはゴミ一つ落ちてない公園よ?」 周りを見渡しても、それらしいものは何一つ見当たらない。 ゴミ一つない、綺麗な芝生だ。だが――― 響 「……ねぇ、奏?」 奏 「なに?」 響 「……なんか、空気重くない?」 響に言われ、奏は辺りを見回す。 空は先ほどとは打って変わって暗雲が立ち込めていて、風ざわついている。空気も、心なしかピリピリとしたものが漂っているみたいだ。 歩夢 「……見てるんだろ?隠れてないで出てきたらどうだ!?」 歩夢の一言で、それまでの重苦しさが一気に加速する。 響 「この感じ……まさか!」 歩夢 「言ったろ?掃除だってな……」 その言葉が示すように、メフィストが姿を現す。 メフィスト 「まさか見破られるとはな」 歩夢 「あったりまえだ。そこまでノイズが出てればイヤでも気づく」
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