始まりは雨の日だった

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「慶ちゃんいらっしゃい。」 少年が家の中に入ると、じいさんよりも少しばかり女の人がいた。 少年の名前は中村 慶太[ナカムラ ケイタ]。 いつもぼーっとしてるような顔でいつもマイペース。 そして極度の人見知りである。 今年高校2年になり、15歳である。 「君枝、今夜は慶太も来たことだし焼肉にしよう。材料は買ってきた。」 「はい、わかりましたよ。悠さん、材料は台所に運んどいて下さいな。」 片山 君枝[カタヤマ キミエ]。 慶太の母方のおばあさんで、温厚そうな優しい顔をしており、今年68歳になるという。 片山 悠三[カタヤマ ユウゾウ]。 慶太の母方のおじいさんで、厳格な顔付きで若々しい口調をしており、時に冗談を飛ばすなどユーモラスな部分も見え隠れしている。 今年で76歳になるという。 この二人はとても仲が良く、喧嘩している所は誰も見たことがない、おしどり夫婦と言われていた。
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