始まりは雨の日だった

7/9
前へ
/9ページ
次へ
慶太は窓を開けるとそこに椅子を持って行き、窓のふちに腕を載せるとしばらくの間ぼーっと外を眺めていた。 外ではシトシトと雨が降っており、慶太は目の前にある田んぼの水面に起こる波紋をチラチラと目で追っていた。 思えば久しぶりに落ち着いたなと慶太は感じていた。 極度の人見知りの為か昔から友達は少なかったのだが、高校に入って友達はいなくなってしまった。 別に顔や性格が悪いという訳でもなかったが、友達を作ろうにもただこの人見知りという性格が邪魔をして思うようにはいかなかったのだ。 そんなこんなであっという間に高校1年生は終了してしまった。 高校2年生になりクラスが大幅に変わり自分の周りの人間がガラッと変わった。 同じクラスだった奴もバラバラになり新しい人達が周りにいる中、慶太は今度こそ友達を作ろうと考えていた。 しかし……
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加