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第六章『それから・・・』
圭一が打たれたすぐ後、また雨が降ってきた。穀倉の病院では間に合わないので、急きょ入江診療所で手術を行うことになった。
雨は次第に激しく降り始めた。あれから一時間、まだ手術は続いてる。待合室で心配そうに窓を眺めているレナ、ベンチに座ってただ俯いている梨花、梨花と同じようにベンチに座って歯を食い縛っている沙都子、どこを見る訳ではなくただ苦い顔をしている詩音、レナの様に窓を見ているがその目には怒りが混ざっている羽入
そして、
手術開始からずっと手術室の前で祈りを捧げる様に手を合わせて目を閉じている魅音
魅音『神様・・・』
ただひたすらに思っているのは、圭一の事
自分がどうなってもいい、ただ、圭ちゃんだけは、助けて・・・
頬に涙を流して、一心に祈っていた。
手術が終わったのは、それからさらに一時間後の事だった。
手術は成功、しかし圭一の意識は戻らない。
手術が終わって、圭一が手術室から出てきた時、魅音は圭一に泣き縋った。入江から手術が成功した事を聞かされて、魅音はさらに号泣した。
圭一の意識が戻るまで、魅音は付きっきりで看病する事にした。
今日は綿流しのお祭り、しかし誰も行こうとは言わない。圭一のいないお祭りなんて、つまらない。全員揃ってから行こう、皆の沈黙の了解だった。
果たして圭一は、意識を取り戻すのだろうか?
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