ダークホール

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自分の部屋の隅に、直径30センチ程の穴が開いている。 それは、触れることができる。 実際に穴が開いていて、生暖かい空気が漂っているみたいだ。 僕はこう呼んだ。ダークホール。 僕は、その使い方を知っている。何故なら、きっとそれを創ったのは僕。…でも、どうやって創ったかはわからない。 気付いたのは、もの心ついた頃。 覗いても見えるのは闇だった。その闇の色は、自分が持っていた闇の色だと思った。 使い方だけはなんとなく知っていた。と言うか、そう勝手に使っていた。 誰に教わったでもない、僕しか知らない、僕にしか見えない。父さんや母さんは見えていないらしい。 だから、話さない。 僕の頭がおかしいとか言って病院行くのはごめんだからね。 僕だって、おかしいと思ってる。でも、どこかで納得しているから不思議だ。 …だから、話せない。
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