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「あいつもかわいそうなやつだなー」
「は？」
声に出ていたらしく、健一郎が怪訝な顔をして、こちらを見ていた。
「和成だよ。あいつ、いっつも一人だしな」
「自業自得じゃね？ゲイ野郎に近づくやつなんて、滅多にいないだろ」
「そうなのかな…」
樹は、ゲイだから、レズだからといって、差別するつもりはない。
差別をする人間にはなるな、と幼いころから親に言われていることもあるが、実の兄がゲイで、現在彼氏と同棲しているということが、一番大きい。
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