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「まあ、俺身長高いしサッカーやってるからがたいもいいし?」
健一郎は勝ち誇ったように上から見下ろしながら、腕組みをした。
「は?喧嘩売ってんの?」
椅子からガタッと立ち上がり、健一郎を睨んだ。
そんな樹に構いもせず、続ける。
「俺と違って樹は身長低くてー、ヒョロヒョロでー、女顔で?声も割と高いよなー。それと…」
指を一つずつ折りながら、樹を嘲笑うようにニヤニヤと笑みを浮かべる。
「てっめー!」
樹が健一郎に殴り掛かる。
健一郎はヒョイッといとも簡単に、樹の拳を避けると、高らかに笑いながら
「いざとなったら、俺が守ってやるよ!樹ちゃん」
と樹を馬鹿にしながら、席へ戻ってしまった。
樹は押さえられない苛立ちをぶつけに行こうと、健一郎を追い掛けようと思ったが、調度チャイムがなってしまったので、断念した。
(くそっ、覚えてろよ!)
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