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樹は健一郎なんてお構いなしに、ルンルンとしあわせな気分になっていた。
(今日はついてる!いいことあるかも)
そうそう柚木に当たることはないので、柚木が車掌の日は、樹のハッピーデイになっていた。
「ほら、次降りるぞ」
「え、もう?」
柚木の声を聞いていると、いつ降りるのか分からなくなり、乗り越ししてしまうことが多い。
今日も健一郎がいなかったら、乗り越してしまうところだった。
樹は名残惜しそうに電車を降り、機械に定期を押し付けた。
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