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『今日ーも元気におはよーさん』
と学校から、リズミカルな音楽が流れ出す。
樹達の通う大和高校は、ショートホームルームの十五分前に、この音楽が流れるようになっている。
よく分からない歌だが、校長はこの曲が好きならしい。
「いっき、はっけーん!」
教室に向かおうと、階段を上っていると、大きな声をあげながら、樹目掛けて、背の高い男が後ろから突進してきた。
「うぉっ!?」
振り向いたときには、時すでに遅し。
男は樹よりも幾分身長が高い上体つきがいいため、樹は避けることが出来ずに、もろに男の体重をかけられる。
勿論樹に男の体重に耐え切れる程の力はなく、健闘虚しく地べたに崩れ落ちた。
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