#1

8/25

1146人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
『今日ーも元気におはよーさん』 と学校から、リズミカルな音楽が流れ出す。 樹達の通う大和高校は、ショートホームルームの十五分前に、この音楽が流れるようになっている。 よく分からない歌だが、校長はこの曲が好きならしい。 「いっき、はっけーん!」 教室に向かおうと、階段を上っていると、大きな声をあげながら、樹目掛けて、背の高い男が後ろから突進してきた。 「うぉっ!?」 振り向いたときには、時すでに遅し。 男は樹よりも幾分身長が高い上体つきがいいため、樹は避けることが出来ずに、もろに男の体重をかけられる。 勿論樹に男の体重に耐え切れる程の力はなく、健闘虚しく地べたに崩れ落ちた。 .
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1146人が本棚に入れています
本棚に追加