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海辺を歩きながらたわいもない話をしてしばらく歩いていたが話は相変わらず盛り上がりはしていなかった。
あたしは居心地悪くはないが和也もそうとは限らない。
そんなことを気にしたり緊張したりしていてあたしはうまく笑えなくなっていた。
会話が盛り上がらないのもそんなあたしのせいかもしれない。
するとそんなあたしに気づいたのか突然和也が立ち止まり波打ち際を指差してこう言った。
和也「めい見て!鶴だ!」
私「つ、鶴?!」
春の波打ち際に鶴!?
よくよく見るとそこには白い小さな鳥がいた。
私「あれ鶴なの?鶴ってこの時期こんなとこにいるものなの?」
あたしが真顔で尋ねると和也は少しすねて言う。
和也「冗談だったのに…」
どうやらおそらく彼なりのボケだったらしい。
多分空気を和ませようとしたのだ。
だがあたしには伝わらなかった。
そう思ったらなんか面白くなってきてあたしは自然に笑うことができていた。
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