「記憶」

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「授業初日だから全部自己紹介だったね☆」 郁ちゃんが嬉しそうに私達に言った。 「教科書が来なければいいなぁ~…。」 夢のようなことを里香ちゃんがつぶやく。 「「いや、無理でしょ!」」 すかさず郁ちゃんと絵美ちゃんがツッコミを入れる。 …中学から…かぁ。 ぼんやり考えていると心配そうに絵美ちゃんが話しかけてきた。 「真音ちゃん、どうしたの~?」 「えっ?」 「ぼんやりしてるからどうしたのかな~って。」 「あぁ、大丈夫だよ。中学からの友達っていいなぁって思って…。私はこの学校に入って中学からの友達は一人もいないからさ…。」 「そっか~…。でももう私達は友達だよ~!」 絵美ちゃんがにっこり笑って言ってくれた。 「うん…ありがとう!」 絵美ちゃんとのやりとりを見ていた里香ちゃんと郁ちゃんも笑顔だった。優しい子に出会えて、友達になれて…本当によかった。 「そういえば、真音ちゃんは気になる人はできた?」 いきなり郁ちゃんがコイバナを持ちかけてきた。 「えっ!?」 …戸惑う。
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