桜吹雪

「覚めない夢」

夢を見た。

「真音ちゃんって、好きな人いるの？」

「うん、優希くんが私の初恋の人！あっ…でも恥ずかしいから誰にも秘密だよ！」

「わかってるよ～。２人だけの秘密だよ。」

「ありがとう！友香！」

…

…

…

「友浜って、優希のことが好きらしいよ。」

「えー、そうなんだ。」

「いっつも本ばっかり読んでて暗いヤツでも恋をするんだなー(笑)」

…どうして…

…どうしてみんなが知ってるの…？

…友香にしか話してないのに…

…あ、友香！

「友香！」

「なにー？」

「…友香…もしかして…喋ったの？」

「えー、だって～…コイバナを話すのって楽しいじゃん？」

「…内緒にしてって言ったのに…？」

「ごめーん、口が滑ってさ。」

…そういう問題？？

…信じられない…

「友香のこと、信じてたのに…。友達なら…秘密を守ってくれるって…」

「だからごめんって。」

「…ごめんで済む問題なの？みんなに知られたじゃない…！」

「好きな人の一人や二人でそんな言わなくても。」

「…もういい、友香には二度と好きな人は言わない。」

…傷ついた。

…初恋の終わり

二度と恋はしないと誓った、あの冬。

起きたら、枕が涙でぐっしょり濡れていた。