「覚めない夢」

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慌てて涙を拭う私。 今でも過去の傷が癒えないまま…。 霧浦くんのことは…好きな人じゃなくて、ただ友達になりたいだけなのに…。 …郁ちゃん、落ち込んでなければいいな…。 コンコン 誰か来た…? 「はい?」 ガラガラ… 「真音、大丈夫?」 「お母さん…!」 泣き顔を見られないようにうつむく。 「真音、もう大丈夫なの?調子、悪くない?」 「うん、大丈夫…。」 「真音?」 「ねぇ、いつ病院から出れる?」 「そうね、真音の調子がよければ明日に病院出て、明後日から学校行くことができるわよ。」 「…そっか。わかった。」 「じゃあお母さんは退院手続きしてくるから、また明日来るわね。明日になったら退院できるからね。」 …退院? 「え、もしかして私入院中??」 おもわず顔をあげて聞いてしまった。 お母さんと目が合う。 …気づかれる…! 「そうよ。…今日はゆっくり休んでいい夢を見なさい。おやすみ、真音。」 そう言い残して私の頭を撫でてお母さんは帰っていった。 …気づいてるはずなのに… お母さん…ありがとう… 私は救われた気持ちで眠りについた。
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